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園について

ごあいさつ

小羊幼稚園の日々 そして今思うこと…

       

 子どもたちは、AIの時代を生きる人生を歩み出します。その時代には分からないことも知らないことも、AIが簡単に教えてくれるでしょう。田畑でも、工場でも、船上でも、会社でも、大変なことは、みんなAIがやってくれるでしょう。AIの時代、子どもたちは、今よりももっと便利で効率よく、もっと速くて力強い社会に生きるのです。

    

 しかし、子どもたちには、不便や無駄、弱さや小ささ、遅かったり失敗したりの中でさえ、『生きる喜び』や『不思議な力』や『希望や友情』のあることを知っている人であってほしいです。弱さがむしろ『しなやかな力になる』ことや、痛みや悲しみが『実は心を豊かに』し、また『人に優しくなる』ことを子どもたちが知っていて、失敗しても『何度でも立ち上がる勇気』を持ち、困難の中でも『一緒に何かを生み出す思いやりと友情』を持って歩み続ける…。神さまがずっと愛していてくださる子どもたちなら、そんな『不思議な力』を手にしてくれるはずです。

      

 私たちの玉川小羊幼稚園は、悩みや苦しみ、痛みや悲しみの中でも、この『生きる喜び』や『不思議な力』や『希望や友情』を生み出して行く、子どもたちの人生の『根っこ』を育んで行くのです。


わたし(神)の目には、あなたは高価で尊い。

わたし(神)は、あなたを愛している。
(イザヤ書 43:4)

教育の理念と目標

教育の土台は、何か?

「この世界は恐れと不安で満ちている…。でも、神はあなたとずっと共にいてくださる…。そして、あなたを悩み苦しみから必ず救い出して下さる…。」 この事を、私たちの園は子どもたちにずっと伝え続けます。子どもたちとその家族のみんなと、神はずっと一緒にいて決して見捨てず、救いと癒し、慰めと励ましを下さることを確信してほしいからです。


強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。
あなたが行くところどこでも、あなたの神、主があなたとともにおられるのだから。
(ヨシュア記 1:9)

子どもたちをどのように育みたいのか?

『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』(ルカ 10:27)

 このキリスト教信仰を土台として、私たちの園は子どもたちを育みます。子どもたちが『自信と誇りをもって生き生き生きる人』、『他者のために自らのいのちを燃やせる人』、『この地を慈しみ、その美しさを守ろうとする人』になってほしいのです。


『… あなたの神、主を愛しなさい』、

『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』…

そうすれば、いのちを得ます。
(ルカの福音書 10:27-28)

教育の方針・特色

       

神を愛し、人を愛し、地を愛す…。そういう人へと育むため、私たちの園は次のような『自由が丘アプローチ』を採ります。


  • 1.子どもたちの心の目になって豊かな対話を創り、子どもたちが自ら育つ主体性を育む。

  • 2.子どもたちの遊びを深め、広め、高めて、子どもたちが自ら好奇心を持って探求し、友だちと楽しく学ぶ力を育む。

  • 3.子どもたちが様々なものに出会う行事やわくわく体験を創り、子どもたちの生きる力、友だちとの絆を築くように育む。

特色ある実践としては、「リトミック」「運動あそび」、花や作物を育てたり虫たちを観察する「環境教育」「課外の体操教室」などがあります。


キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、
その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。

ピリピ人への手紙3:14

心の目になって

 外から一方的に見ず、子どもたちの心の目になって対話しよう。そして、子どもたちを分かってあげよう。
 なぜなら、自分を分かってくれる存在が自分にはいるんだと確信すれば、子どもたちは自ら育って行くのだから…。

遊びを深めてあげて

 私たちは子どもたちの遊びを深め広げ高めてあげよう。すると、子どもたちは自ら好奇心を抱いて探究して行く…。
 なぜなら、共に不思議に出会い、探究し、楽しみ、喜び合うことで、子どもたちは自然界に出会い豊かに育っていくのだから…。

生きる力や絆を創る

 私たちは、さまざまなわくわく体験を創ってあげよう。
 なぜなら、子どもたちはわくわく体験の中に学び、そこで生きる力を手にし、友だちとの絆を創って行くのだから…。

ギャラリー写真集

正面外観
大型遊具
年少組教室内観
年少組教室『おもちゃのコーナー』
年少組教室のロッカーとトイレ入口
年少組教室のお手洗い
レ・シュシュ(二歳児保育)
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沿革

1953年 戦後の平和と復興を願う人々の暮らす自由が丘の地に『玉川神の教会』が誕生しました。『神の教会運動』という「アメリカ合衆国で生まれた“リフォメーション・ムーブメント(改革運動)“」によって、創られた教会です。
 この『神の教会運動』は、アメリカの南北戦争で互いに対立し、憎み合い傷付け合ったことを悔い改めた人々が戦後の痛み苦しみの中で『魂の救いと平和と一致』を求めて起こした運動です。ですから、神の教会は、私たちが悩み苦しみから立ち上がり、信仰と希望と愛を持っていかに生きて行くのかを導く運動をしている教会なのです。
 戦後しばらくして、自由が丘の地には、たくさんの子どもたちが生まれました。そして、出来上がったばかりの礼拝堂で行われた子どもクリスマス礼拝には、入り切れない子どもたちが集まったのでした。
 こうした子どもたちの未来のために、また、子どもたちが生き生きと生きるため、他者をも自分のことのように大切にできる人になるため、戦争のない美しい地を慈しむ人となるために、玉川神の教会の若い女性たちが、幼稚園を創りたいと願いました。こうして、玉川小羊幼稚園のたまごが生まれたのです。
1956年 園舎と園庭が建てられて二年後、正式に東京都の認可を受けて『宗教法人 玉川神の教会附属 玉川小羊幼稚園』が誕生しました。
 それは、大正自由主義教育運動によって創られたトモエ学園に通っていたトットちゃん(幼き黒柳徹子さん)が授業のお散歩で眺めた「菜の花がいっぱい咲いていた畑だったところ」でした。(黒柳徹子「窓ぎわのトットちゃん」講談社文庫2015年新組版)
 子どもたちが自分で考えたり感じたりする『子どもたちの主体的な教育』を目指した、自由が丘地域の大正自由主義教育運動のエスプリ(精神)は、玉川小羊幼稚園の中にも確かにあるのです。
1978年 最初の木造の園舎に変わって、鉄筋コンクリート建築の二階に新しい礼拝堂、そして、一階に園舎が建てられました。
2014年 前年度の試行運営を経て、近隣の子どもたちと保護者への「支援」と「就園への備え」としての「二歳児クラス」をスタートしました。その名も『レ・シュシュ』... 。フランス語の『私の掛け替えのない秘蔵っ子』という意味です。保護者にとっての小さな我が子への思いを感じ取って、その養育を支えようと考えたのです。
 それから7年後の今、2021年には私たちの園のプレ保育として四番目のクラスとして、「登園後のおしたく」「クラス活動」「園庭遊び」などを準備する『子どもたちの園生活の先駆け』となっています。
2015年 創立60年を迎えようとするこの年、創立時のクリスマスには礼拝堂に入り切れないほど子どもたちが集った園でしたが、少子化の波が現実となって押し寄せ、園児数減少となりました。
 その一方で、子どもたちが遊びを通して豊かに関わり合うことの大切さや、子どもたちの育ちの様々な状態に配慮したインクルーシブな教育・保育の必要性を考える探究が始まりました。
2017年 それまで、年長組の子どもたちが栽培するサツマイモだけだったものから、年少・年中・年長の子どもたちがそれぞれ「お花一つ、作物一つ」を育て、収穫し、味わう教育の充実を始めました。題して、『環境教育』です。
 こうして、子どもたちは、大都会にあっても、自然に触れ、不思議に出会い、探求するわくわく体験を重ねて行くことになります。それから数年を経て、子どもたちの探究心は、植物や作物ばかりか昆虫たちへ広がって行きます。大都会にあって、子どもたちと動植物の野生との出会いが始まりました。
2018年 「滑り台とブランコを抱えた鉄製の小屋つき大型遊具」を、全く新しくしました。古い大型遊具は、長い間、子どもたちに赤い屋根の黄色小屋、滑り台、ブランコと親しまれていました。しかし、少子化の時代の流れとともに、子どもたちの体力が落ちて来たため、安全基準をより強固にする必要を感じたのです。それで、『自然木材を使ったシャレー(山小屋)を建て、それに滑り台とブランコを繋げる大型遊具』に改修したのです。
 また、『お手洗い』も全く新しい形に改修しました。子どもたちには、お手洗いは大人が思う以上に怖いもの。暗かったり、見慣れないものだと、入るのも大変なのです。ですから、これまでにも二度、改修して来ました。それを、この年、お出かけしたホテルのような、明るく清潔感のあるわくわくするお手洗いに改修しました。
 手洗い場の高さも、背の小さな子どもたちの扱いやすい高さに変えました。以来、子どもたちは嬉しそうに入ります。
2019年 前年度8月のゲリラ豪雨により、園は床上浸水の被害に遭いました。創立以来経験のないでき事でしたが、園舎を守るため、地下鉄駅の入り口にも用いられている『止水板』を十箇所分用意しました。
 また同時に、築40年を迎えた園舎ということもあり、保護者の皆さまのご支援をいただいて、床暖房フローリング床やサッシ戸、そして、子どもロッカーを改修しました。
 サッシ戸は大きな強化ガラスにして、閉めても開放感のあるものしました。教室から園庭がよく見えるようになり、広々と感じるようになりました。また、ベランダも新しくフローリングにして、教室やお手洗いの床とバリア・フリーにしました。
 こだわったのは、子どもたちの引き出し付きのロッカーです。福岡県の老舗の家具屋さんに特注し、深夜までかかって園舎で組み立ていただきました。桐材を使った引き出しの滑りの良さは、婚礼家具を作り続けた老舗職人さんの技が冴えています。小さな子どもたちですが、子どもの時から、日本の伝統芸に触れてほしいのです。そして、将来、日本の匠の技を身につける子どもが現れることも信じています。
 さらに、秋、私たちの園はイタリアのレッジョ・エミリア市にある幼稚園への海外研修に赴き、『レッジョ・エミリア・アプローチ』を学びました。その成果を踏まえて『自由が丘アプローチ』を創り上げることにしました。その実践の一つが『環境教育の充実』でもあります。
2021年 2020年初め、世界は、新型コロナ・ウィルス感染症(COVID-19)によるパンデミックとなりました。子育て中の保護者の皆さんは、不安と恐れの中に呑み込まれたような混乱の中に追い込まれてしまいました。政府の学校閉鎖要請により幼稚園や学校はみんな休園となり、子どもたちから育ちの場が奪われるような事態になりました。あの時、保護者の皆さん、本当に辛かったですね。
 休園中、私たちの園は子どもたちに向けて家庭での過ごし方やクイズなどを記した「レター」を作って宅配し、子どもたちと保護者の皆さんの支援に努めました。そして、6月、様々な感染症予防策を立てて開園しました。今では当たり前ですが、保護者の皆さまとご家族にご協力いただき、検温などの健康チェック・カードの提出、分散登園や除菌や換気や空気清浄機の配備などをいち早く開始しました。
 2021年に入ると感染症変異株が現れ、さらに私たちを混乱させました。しかし、園はその都度、対面アクリル板配備・トイレ内の抗菌抗ウィルス塗装・CO2濃度測定器配備など、思いつく限りの対策を立てました。
2022年 私たちの園は、『子ども・子育て支援新制度』に移行しました。
 そして、利用定員を60名として、アット・ホームな園をさらに一人ひとりが豊かに関わり合う園を目指します。子どもの目になって豊かに対話しつつ、遊びとわくわく体験により深く学び、友だちとの絆を創る『自由が丘アプローチ』により、誇りを持って生き生きと生きる人、他者のためにいのちを燃やせ、地を慈しむ人へと、より一層子どもたちを育みます。一方、子育て中の保護者の皆さんとともに歩む『自由が丘にある教育センター』を目指します。
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